山径独歩(やまみちひとりあるき)
2018年1月27日


「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(赤城山)」

ルートタイム

1  おのこ駐車場       07:40
2  登山口   08:15     
3  黒檜山山頂   10:35  〜  10:50
4  おのこ駐車場   12:00     
 有名な上州の空っ風のために樹氷が美しいといわれる赤城山。いつも北関東自動車道からその姿を眺め、いつか冬に登りたいと思っていた山だが、今回ようやく出かけることとなった。
 前日の天気予報では晴れ。車での道すがらも悪くない空模様だったのだが、峠道を登っていくにつれて雲が厚くなり、大沼のほとりの「おのこ駐車場」に着く頃にはどんよりとした天気になってしまった。
 名物の空っ風も健在で、駐車場には地吹雪が吹き荒れ、大急ぎで身支度をして歩き始める。
 とにかく寒い。
赤城山
赤城山
 おのこ駐車場。そこそこ広い駐車場だが、ちょうど除雪車による作業中で、邪魔にならないよう隅の方に駐める。
 大沼のほとりを歩く。凍結した沼の上ではワカサギ釣りだろうか、色とりどりのテントが並ぶ。
赤城山
赤城山
 登山口まで行く途中に赤城神社があるので、お参りしていくことにする。
 ちなみに、この時期は登山者も神社の駐車場に駐車可能だ。黒檜山往復ならその方が近いが、自分はこの時は黒檜山から駒ケ岳縦走を考えていたため、おのこ駐車場に駐車した。
赤城山
 赤城神社からほどなく、登山口に到着。
 ここでアイゼンを装着する。
赤城山
赤城山
赤城山
 空はますます暗く、寒くなってくる。だが、そのおかげか、霧氷が美しい。
赤城山
赤城山
 尾根筋に出て展望が開ける。さっき通ってきた赤城神社と大沼が一望できるスポットだ。
赤城山
赤城山
 雪の中にいい感じに佇む松の木。
 うーん、絵になる。
 このあたりで一段と風が強まり、時折雪が混じって吹雪になる。
 雪が目に刺さって痛いので防風ゴーグルを装着。
赤城山
赤城山
 霧氷の森はモノクロの世界。まるで一幅の墨絵のようだ。
 3分の2ほど登ったあたりで降ってくる数人のパーティとすれ違う。もう山頂から下りてきたのかと思って聞いてみると、この先で雪が深くなつており、トレースもないため引き返すとのこと。
 見ると装備も軽装であまり雪山慣れしていないようだ。
赤城山
 少し進むと、彼らの行った通りトレースがなくなり、その先は雪が深そうだ。足を踏み入れてみるとひざ下ほどの深さ。
 そのままアイゼンで進めないこともなかったが、せっかくカンジキを持ってきたので履き替えることにする。
 新雪の斜面で苦労してカンジキに履き替え、歩き出す。
 少しの間は快適だったが、急斜面になると爪の小さなカンジキでは滑ってしまい、進めなくなってしまった。仕方がないので再びアイゼンへと履き替えることに。
 雪の中で履き替え作業に悪戦苦闘していると年配の登山者が二人、横を追い越していった。

 結局、20分近く無駄にしてアイゼンに戻し、歩き出す。抜いていった二人のおかげでトレースはできているのだが、それでも苦労する深雪だ。トップの人はさぞや大変だろう。
赤城山
赤城山
 それでもどうやら稜線の道に出た。登りはここまで。稜線を右に行けば駒ケ岳、左に行けば目指す黒檜山はもうすぐだ。
 稜線上はさらに雪が深く、先行者のラッセルの跡が苦労を物語る。
赤城山
赤城山
 登山口から2時間20分で赤城山最高峰の黒檜山山頂に到着。
 カンジキの履き替えでロスした時間を考えると約2時間ほどの登りである。
赤城山
 相変わらず数が強く、木の上の方は千切れんばかりに揺れているのだが、不思議なことに地面の近くはほとんど風が来ない。
 山頂を通り過ぎてもう5分ほど行くと、絶景ポイントがあるそうだが、この天気ではとても展望は無理と思い、山頂で行動食を齧りながら一休み。
 風が来ないのでそれほど寒くないのがありがたい。
赤城山
 とりあえずさっきの分岐まで戻る。今日は駒ケ岳を経由して下山する予定だったが、この天気では展望も望めず、雪も深いので、今回は駒ケ岳は断念して下山することにした。
 分岐を少し駒ケ岳方面に行ったところに祠があったので、そこでお参りだけしてから下山にかかる。
赤城山
赤城山
 下っていくと、だんだんと薄日が射し始めた。やはり明るくなると霧氷の美しさが映える。
 山頂から1時間ほどで登山口へ。あとは駐車場まで10分ほどだ。時刻はちょうど正午。この頃になるとすっかり晴れてきたのだが、この時間から登りはじめる人が大勢いたのが意外だった。
 朝から吹雪の中を登った自分と比べると同じ日とは思えない天気である。
山径独歩(やまみちひとりあるき)