山径独歩(やまみちひとりあるき)
ゴルジュをのぼるアドベンチャーテイストの山
2018年11月3日


「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(原市場)」

ルートタイム

1  白谷橋登山口駐車場       07:25
2  岩茸石   08:45     
3  ゴンジリ峠   09:15  〜  09:20
4  棒ノ折山山頂   09:25  〜  09:50
5  黒山山頂   10:10  〜  10:15
6  雨沢山山頂   10:30  〜  10:55
7  ゴンジリ峠   11:45  〜  11:50
8  白谷橋登山口駐車場   12:50     
 棒ノ折山は埼玉県と東京都の県境に位置する山で、奥多摩山系の一翼を担う。
 この山の登山道は、ゴルジュといって切り立った岩の間を流れる沢を登るルートが有名で、ちょっとしたアドベンチャー気分が味わえる。といっても本格的な沢登りのように水の中を泳いだり滝を登ったりするわけではないので、通常装備で充分登れるお手軽さも人気の一つだろう。
棒ノ折山
 ゴルジュルートの白谷橋登山口から徒歩30分ほどの所にある「さわらびの湯」の駐車場は広く、登山者も駐めることができるが、登山口のすぐそばにも7〜8台の駐車スペースがある。まだ時間も早いので行ってみると空いていたので、こちらに車を駐める。
棒ノ折山
棒ノ折山
 登山届ポストもある登山口。いざスタート。
 最初は樹林帯ののどかな径が続く。とはいえ、傾斜はそこそこあり、ペース配分には気を遣う。
棒ノ折山
棒ノ折山
 だんだんと径は岩場へと様子を変えてくる。
 いよいよ径は沢のそばにより、滝のすぐ横を登る場面も。
棒ノ折山
棒ノ折山
 沢の右側、左側と何度も渡りながら登っていく。
 まるで門のような岩の間を抜ける。ゴルジュの核心にかかってきたようだ。
棒ノ折山
棒ノ折山
 このあたりが最もスリリングで楽しい場所だ。実際にはそれほど難しくはないが、雰囲気だけは本格的な沢登りである。
 遠目に見ると崖を登っているようだが、実際には急だが階段状になっており、それほど難しいことはない。
棒ノ折山
棒ノ折山
 難所も過ぎ、こんなところを歩くのもまた楽しい。
 難所が終わるとほどなく、管理用の車道に出る。車道を渡ってすぐ先が本来の登山道なのだが、径が崩れているため通行止めとなっていた。
 ここが通れないとなると、この車道に沿って迂回し、かなりの遠回りとなる。
 どうしようかなと考えていると、年配の登山者に話しかけられた。どうやらしょっちゅうこの山に登っている方らしく、「この径も崩れてはいるけど通れるよ」とのことで、その方と一緒に登り始める。
 話によると今日は航空自衛隊の入間基地の航空祭の日で、ここの山頂からブルーインパルスの航空ショーが見られるのではないかと登ってきたとのこと。
棒ノ折山
棒ノ折山
 車道から急な斜面を100mほど登ると、斜面をトラバースするようにつけられている径に出るが、ちょうどそのところが崩壊していた。
 崩壊箇所を高巻きするように踏み跡がついており、それに従って通過したが、再び崩れることも十分に考えれるため、通過には最新の注意が必要だ。
棒ノ折山
 崩壊箇所を通過すると歩きやすい平坦な径となり、そこを数分も歩くと岩茸石へと到着だ。
棒ノ折山
棒ノ折山
 ここからは稜線歩きになるが、なかなか傾斜のきつい稜線であり、ここがこのルートで一番きつい箇所といえるだろう。
 そのきつい上りも30分ほどで、ゴンジリ峠に到着。ここは広く、ベンチも多くあり、休憩に最適だ。ここで軽く一息いれるが、山頂はもうすぐそこだ。
棒ノ折山
 ゴンジリ峠からは5分ほどで棒ノ折山山頂に到着。かなり広く開放的な山頂で、四阿などもあり、ついついのんびりしてしまう。
棒ノ折山
棒ノ折山
 山頂からは北側が開けており、埼玉の山々が波のように連なって見える。
 わずかながら紅葉も。少し時期が遅かったようだ。
 30分ほどのんびりし、歩き始める。
 このまま下山では物足りないので、今日はゴンジリ峠から奥多摩方面に、黒山から雨沢山まで足を伸ばす予定だ。
 途中から一緒になった年配の登山者は航空ショーが始まるのを待つといって、弁当を広げてビールを飲み始めていた。
棒ノ折山
棒ノ折山
 ゴンジリ峠を右に折れ、痩せ屋根の径を辿っていくと、15分ほどで黒山の山頂に至る。
 少し休憩と思ったが、大きなスズメバチがうろうろしていたのでそのまま先へ進む。
 黒山からさらに15分ほど歩くと雨沢山に出る。ここは一応山名がある山頂なのだが、地形的に山頂らしく見えない。ベンチがなかったら気づかずに通り過ぎてしまいそうだ。
 とはいえ、今日の最終目的地なので、とりあえず一息入れることにする。
棒ノ折山
棒ノ折山
 ここからは南側、奥多摩方面の山々が展望できる。
 このあたりでは少し色づいた秋を楽しむことができた。
 下山は来た道を戻り、2時間ほどで登山口へ。
 標高も低く、初心者でも手軽に登れて沢登りの雰囲気まで楽しめるなかなか面白いルートであったと思う。もし登山初心者の誰かを連れていくなら棒ノ折山は格好の山だろう。ぜひまた来たいものだ。
山径独歩(やまみちひとりあるき)