2015年11月28日

「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(長又、両神山)」
ルートタイム
以前、両神山に行ったとき、すぐ隣に二子山というもっと面白い山があるということを知り、是非行ってみたいと思っていたのだが、登ってみるとこれが面白い。
個人的には両神山の八丁尾根よりも面白いと思った。
両神山はその行程のほとんどが木立の中であり、時折展望が望めるものの、見通しが少ないため高度感はそれほど感じられないのに対し、二子山は両側が数百メートルも切れ落ちた細い岩の稜線を歩くため、高度感が半端ではない。
まるで空中散歩のような岩場歩きは少々クセになりそうだ。
二子山には坂本登山口と北登山口がある。
北登山口は稜線直下にあり、あっという間に股峠に出て岩場歩きを楽しめるが、坂本登山口は股峠まで1時間ほど登らなければならない。
今回はあまり短いと物足りないと思い、坂本登山口から登ったが、純粋に岩場歩きだけを楽しみたいなら北登山口から登るのがお手軽だ。
坂本登山口の50mほど先に路肩が広くなっている所があり、ここに車が駐められるようだ。
車を駐め、身支度を整えていざ出発。
なかなか急な樹林帯の中をのんびりと登ること1時間。股峠に出る。
股峠の付近は地図にないクライマー道が交差しているので、注意が必要だ。
股峠を右に、まずは東岳へ。木立の向こうに見える東岳に向かい、さらに急になった斜面を登って行く。
途中からは完全に岩場になり、鎖に頼っての岩登りとなる。
岩場をよじ登り、稜線に出る。ここからは50mほど稜線を歩いて山頂だ。
距離は短いが、両側が切れ落ちた岩場を登ったり下りたり。大変だが、とても楽しい。
夢中になって登っていると、ほどなく東岳山頂に到着。
東岳山頂より西岳を望む。
あの右側の斜面(というより壁)を登ると思うと、思わず武者震いが出るようだ。
山頂からさらに20mほど東に進むと展望台ともいえる一枚岩に出る。ここからは東側の眺めが絶景だ。
山頂を堪能して東岳を下り、再び股峠へ。股峠を通り過ぎるとまた急登になる。
西岳へは一般コースと上級コースがあるが、気をつけないと上級コースを見逃して一般ルートに入ってしまうことがあるので、気をつけてルートを左へととる必要がある。
途中には写真のような看板があり、事故が多いことが伺われる。
登って行くと目の前に現れるのがこの壁だ。
以前は鎖がかかっていたようだが、いろいろと意見があったらしく、現在は鎖はかかっていない。
先行者の登りっぷりを参考にさせてもらう。下から見るとなかなかスリリングな登りである。
先行者を見送り、いざ登り始める。
手がかりが多く、岩もしっかりしているため、鎖がなくてもそれほど問題はないが、ルートがわかりづらい。
結局は登れそうな所を、上へ上へと登って行くしかなく、夢中で登っていると、数分で岩場を脱し、後は急だがとりあえず手を使わずに登れる道に出る。
ほどなく西岳の東峰に出る。西岳は東峰・中央峰・西峰の3つからなり、その間はスリリングな痩せ尾根渡りである。
写真は東峰から望む中央峰。
しばし眺望を楽しんだ後、中央峰へと向かう。
場所によってはどう進んだら良いのか迷うような所もある。
一歩間違えれば数百メートルも落下するようなところだけに、慎重な行動が必要だ。
二子山山頂(中央峰)に到着。
中央峰から西峰を望む。
途中を歩いている人が見えるが、ここから見るととんでもない所を歩いているように見える。
先行者が西峰の山頂にたどり着いたようだ。なんとも気分の良さそうな景色だ。
周りの人と話しながら先行者の歩く様子を眺め、30分ほど中央峰でのんびりしてしまったが、ようやっと腰を上げる。
ここからはきわどい岩場の稜線を行く。
場所によっては戸隠山の蟻の塔渡りのように細い。ただし、両側の切れ落ち具合はこちらのほうがよほど怖い。
ナイフのエッジのような稜線を無我夢中で歩き、中程で振り返る。
中央峰は見事な岩壁の天辺だ。
案ずるより産むが易しで、実際に歩いてみると遠目で眺めるほどには苦労せず、気がつくと西峰に到着。
西峰でコーヒーでも入れて一服と思っていたのだが、意外と狭い山頂で落ち着ける場所がなく、諦めて先へ進む。
ほぼ核心部は過ぎたが、西峰からもう少し稜線を進む。
遠くに雪のように見えるのはセメント採取のために崩された叶山の跡である。
稜線歩きも終わり、下降点に到着。ここで振り返り、歩いてきた稜線を眺める。
右端の標識の経っている所が中央峰だ。
下降点はほぼ垂直の岩を下る。ここは鎖が取り付けられている。
稜線を下りて樹林帯を下る。途中鉄塔があり、その付近からは二子山の全貌が眺められる。
稜線を下りてから下ること1時間ほどで、坂本登山口へ。
二子山は短時間で本格的な岩場歩きが楽しめるとても面白い山だ。ぜひまた行きたい、私のお気に入りの山の一つとなった。