2013年10月13日
「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(川前・水石山)」
3D MAP
ルートタイム
福島県いわき市にある二ツ箭山は、標高710mほどの小さな山だが、なかなか面白い岩場があるということで、行ってみることにした。
今回は場所も近いし、ルートも短めなので、余裕をかまして朝5時に出発。
常磐道いわき中央I.C.を降りて、付近のコンビニでおにぎりと水を買う。
おにぎりを頬張りながら田舎道をのんびりと走って行くと、30分ほどで立派なトイレのある整備された駐車場に着く。
すでに2台ほどの車がおり、登山の身支度をしているパーティもいる。車を駐め、挨拶してこちらも支度にかかる。準備している間にもまた2〜3台の車が入って来た。
さて支度も整い、隣の車の年配のパーティに声をかけて歩き始める。
天気も良く、楽しい登山になりそうだ。
駐車場からは二ツ箭山の全貌を望むことができる。
駐車場にある登山案内地図。
歩き出して5分ほど。登山口の看板を通り過ぎる。
杉木立の中をしばらく進むと、三叉にさしかかる。
登りは左に進み、下りは右の道から降りて来る予定だ。
ほどなく、「尾根コース」と「沢コース」という分岐が現れる。
ただしここはルートマップにある〆張場の分岐ではない。非常に紛らわしいのだが、この二つのルートは〆張場の手前で合流する。
この尾根ルートは遠回りなだけで、さして面白いわけでもなく、むしろ沢ルートの方が楽しいようだ。
やはりこちらを通る人は少ないらしく、尾根道にはそこら中に蜘蛛の巣が張っていた。
枯れ枝を拾って払いながら歩く。
しばらく歩くと沢ルートに合流。
沢ルートに合流後、ほどなく〆張場に出る。
ここは迷わず尾根ルートへ。
尾根筋に上がると、見事な大岩が次々と現れる。それを眺めながら普通の道を歩くこともできるし、岩場を歩くこともできる。
ただし、岩場は少々ルートが分かりづらいので注意が必要だ。
なお、ここから男体山、女体山あたりまでの間は道から外れて岩に登れる箇所がいくつかある。私は気付かずに通り過ぎてしまったが、時間に余裕があれば立ち寄るのも面白いだろう。
そして名物の30m鎖場だ。
鎖とザイルが架かっているが、下の方は傾斜もそれほどではなく、手がかりも多いので、鎖を使わずに登ることができるが、3分の2ほど登ったあたりからは傾斜がきつくなり、何度か鎖に頼ることになった。
やはりこれだけ長さがあると上の方での高度感はそこそこある。
30m鎖場を登り切ると大岩に挟まれた平坦な狭い場所に出る。
道は先に続いているようだが、右側の岩に鎖が架かっており、そちらが進路であることは一目瞭然だ。
先の道は30m鎖場の迂回路か何かだろうと思って岩を登ろうとしていると、その道から一人の登山者が現れた。挨拶をすると、この両側の岩が女体山と男体山だと教えてくれた。
私が登ろうとしていたのが女体山。左側が男体山で、男体山は岩を回り込んで裏側から登り、ピストンで戻って来て女体山に登るのがルートらしい。
あぶなく男体山をスルーするところだった。
教えられたとおり裏側にまわり、男体山の鎖場に取り付く。
なかなかハードな鎖場で、しかも難しい。ボルダリングのように先を読んで手がかり足場を選んで行かないと手詰まりになってしまうのだ。
高度感もあり、期待していた以上に楽しい岩登りであった。
男体山の山頂に到着。山頂は結構狭く、なかなかスリリングだ。
男体山頂から女体山を望む。次に登る岩が一望に見える。
しばらく景色を堪能し、降りることにする。登って来た道を上から覗き込む。
登りは無我夢中で登ってしまったが、下りはまたさらに難しい。
男体山を下り、また岩を回り込んで女体山に戻る。
女体山の岩は下から見ると大したことがないように見えるが、これがなかなかの高度感である。
女体山の岩を登り切る。
ここにも"女体山"と書かれた木の札が立っているが、実際の山頂はもう少し上にあるようだ。
女体山から男体山を望む。
女体山からは太平洋を望むことができる。
こちらは女体山から望む二ツ箭山頂。
女体山頂にはベンチがあり、休むには格好の場所である。コーヒーでも飲もうかと思ったが、どうせなら二ツ箭山頂の方が良いと思い、先へ進むことにする。
二ツ箭山の山頂は木立の中の狭い場所だ。展望もなく、あまり休むには適さない場所だ。休むのはやめて下山にかかることにした。
しばらく歩くと、月山に出る。ここはなかなか眺めがよく、下の写真のように男体山、女体山を望むことができる。
ここでコーヒーでもと思ったが、ここまで来ると急に風が強くなり、じっとしていると寒さを感じるほどになったので、少しだけ休んだ後、やはり下山にかかることにした。
秋の木漏れ日に映える木立の径を歩き、月山から小一時間で駐車場に戻る。
朝は3台ほどだった駐車場もこの時間にはだいぶ車が入っている。
ここから仰ぐと、二ツ箭山の全容が見渡せる。男体山、女体山もよく見える。
二ツ箭山は、ほんの4時間ほどの行程で、少々物足りなかったが、男体山・女体山の鎖場はなかなか面白い。逆に考えると、この手軽な行程でこの岩場が楽しめるところはなかなか少ないのではないだろうか。
時折、訪ねてみたいと思える山である。