山径独歩(やまみちひとりあるき)
誰もいない稜線で樹氷と景色を独り占め
2018年3月24日


「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(磐梯山)」

ルートタイム

1  駐車場       07:55
2  雄国山山頂   09:55  〜  10:05
3  雄国沼休憩舎   10:25  〜  11:15
4  駐車場   12:05     
 裏磐梯、猫魔ヶ岳に近い場所にある美しい雄国沼。その辺りは花の散策コースとしてもポピュラーだ。以前、積雪期に猫魔ヶ岳に登った折、雪に覆われた雄国沼を眺めていつか行ってみたいと思っていたが、せっかくなのでその側にある雄国山に登ってみることにした。
雄国山
雄国山
 7時30分頃に駐車場に到着。ここまでの道路もほぼ雪はなく、駐車場はきれいに除雪されていた。まだ時間が早いのか、駐車場には他に車はなし。
 駐車場から100mほどで登山口へ。写真では分かりにくいが、中央あたりに雪壁が切れているところがあり、そこから登って登山道に入っていく。
雄国山
雄国山
 右側の斜面に沿ってトレースが続いているが、これを進むと雄国沼に行ける。下山はこの道を戻って来る予定だが、今回は尾根伝いに山頂を目指す予定なので、右側の斜面を登る。
 あまり山頂を目指す人がいないのか、斜面にトレースはまったくない。
雄国山
雄国山
 地形とGPSを頼りに登りやすそうなところを登っていく。なかなかの急登だ。
 足跡を発見。大きさからみてカモシカだろうか。
雄国山
雄国山
 道なき急斜面を登ること1時間ほどで稜線に出る。きついのはここまでだ。
 初めて展望の開けた場所に出る。天気は晴れたり曇ったりを繰り返しているが、雲は高く、展望はそこそこだ。
雄国山
雄国山
 磐梯山には少し雲がかかる。
 こちらは猫魔ヶ岳。猫魔スキー場も少し見えている。
雄国山
雄国山
 これから進むルートが一望できる。このまま稜線を進み、雄国山山頂へ。その先に顔を覗かせている雄国沼に降りて谷筋を戻って来る予定だ。
 稜線に上がると樹氷が見事だ。ただ、これでバックが青空だったら最高なのに・・・。
雄国山
雄国山
 誰もおらず、トレースもない稜線歩きは本当に清々しい。雪山の醍醐味の一つだ。
 少し雲が流され、青空が顔を覗かせる。
雄国山
雄国山
 後ろを振り返ると、自分のトレースの向こうにはくっきりと桧原湖が見える。
 だいぶ晴れ間が広がってきた。山頂はもうすぐだ。
雄国山
雄国山
 やはり晴れてくると樹氷が輝き、美しさを増す。猫魔ヶ岳にかかる雲もだいぶ取れて、その姿を現わしつつある。
雄国山
雄国山
 景色に見とれながら歩いているうちに、ふと気づくと山頂の展望台が見えてきた。
 雄国山山頂に到着。登山口からちょうど2時間だ。
 展望台の実際の高さがどのくらいなのかは分からないが、この時は雪面から1.5mほどの高さしかなく、スノーシューを脱ぐのも面倒だったので登ることはしなかった。
雄国山
雄国山
 山頂からは凍結した雄国沼を眼下に望むことができる。
 それほど寒くないので山頂でまったりしようかとも思ったが、じっとしているとやはり少し寒くなって来る。
 ここから20分ほど下って雄国沼の畔に出れば休憩舎があるので、そこで休むことにして歩き始める。
雄国山
雄国山
 やはり陽が当たると雪山の美しさは格別だ。
 山頂からさらに稜線を少し進んで、沼へと降りる降下点へと向かう。小さいながらも雪庇があるので気をつけて歩く。
雄国山
雄国山
 眼下に雄国沼休憩舎が見えてきた。
 何も目印はないが、このあたりが降下点だろう。ここからなら比較的緩い斜面を一直線に休憩舎まで降りられそうだ。
雄国山
 降下点から山頂を振り返る。
 少し急な斜面を下り切ると平地の樹林帯へと突入。ここからは休憩舎が見えなくなるので、方角を確認しながら進む。
 まっすぐ進めばいいようなものだが、木々を避けながら進むため、気がつくとだいぶ方向がずれていることがあり、注意が必要だ。
雄国山
雄国山
 山頂から下ること20分ほどで雄国沼休憩舎に到着。
 手入れの行き届いた立派な建物だ。
 目の前には凍結した雄国沼。
雄国山
 そして振り返ると、降ってきた雄国山の山頂も望むことができる。
 時刻は10時30分。休憩舎の中は誰もいないが綺麗で暖かく、居心地は最高。
 昼飯には少し早いが、持ってきたインスタントラーメンを作って腹ごしらえ。食後にコーヒーでまったり。
 あまり心地良いので、もっとのんびりしていたかったが、2組ほど、散策のお客さんが入ってきたため、場所を譲るべく出発することにする。
 休憩舎を出て木立の中へ入っていくとそこは広い平坦な樹林帯で、何も目印になるものがない。トレースはあるのだが、みな思い思いに歩いているらしく、縦横無尽に足跡があり、これは参考にならない。
 地図によるとこの平坦地を抜けると急斜面を下る。そうすると下で沢と合流するので、あとは沢沿いに下っていけば良いはずだ。
 GPSの助けを借りて正しいと思う方向に歩いていたが、地図では降下点がはっきりせず、結局少し大回りをすることになった。
雄国山
 少し遠回りをしたものの、無事降下点を見つけて急斜面を下り、下の沢に出た。あとはこの沢沿のほぼ平坦な径である。
 そう思って油断していたら、枝沢が合流してYの字になっている股のところに入り込んでしまった。枝沢を渡るところがなかなか見つからず、だいぶ戻ってやっと渡るが、沢が入り組んでいて進めず、結局左側の斜面を高巻きしてやり過ごす。
 さらに沢沿いに歩いていくと、右側の道路を走る車音が聞こえ始め、登山口に到着。
 自分のペースで休憩も入れてほぼ4時間ほどの行程の中で、なかなか変化に富んだ美しい景色を眺めることができ、手頃ながらお得なルートと言えるだろう。ぜひ再び訪れたいルートである。
山径独歩(やまみちひとりあるき)