2014年11月15日

「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(長又・両神山)」
ルートタイム
両神山は埼玉県に位置する岩山である。広い山域を持ち多くの登山ルートが存在するが、八丁トンネル登山口を起点として八丁尾根を歩くルートは起伏に富み、非常にスリリングで面白い。
八丁尾根は全行程ほぼ鎖場といっても過言ではなく、登っては下りを繰り返し、次から次へと現れる鎖は登山者を飽きさせることがない。
私のように岩場歩きの好きな人間にとってはたまらない山である。
八丁トンネルの入口脇に10数台駐められそうな駐車場がある。すでに5、6台の車が駐まっているところに車を入れる。
駐車場で身支度を整えていると、準備を終えた登山者たちが続々と登り始めて行く。こちらも身支度を終え、登山口へ。
いきなり登山口から急登が始まり、すぐに鎖が現れる。まだエンジンが温まってもいない体には少々きついスタートだ。
まだ八丁峠にも達していないのに、次々と出てくる鎖場。
約1時間で八丁峠に到着。八丁峠にはベンチとテーブルが備えられた休憩所があり、ここで一服。
ここからはいよいよ難所とされる八丁尾根の始まりだ。
とても道には見えない斜面を登って行く。
両手両足をフルに使って狭い尾根の岩場を越えて行く。時折見晴らしの良い場所に出るとなかなかの景観が楽しめる。
とにかくこんなところが随所に出てくるので、なるべく鎖に頼らず、腕の力を温存しないと、だんだん腕に力が入らなくなってくる。
夢中で登っているうちにいつしか東岳に到着。ここからの展望もなかなかだ。
東岳からまた2つほど鎖場を越えて両神山頂に到着。
天気も良く、山頂は混雑していた。
山頂からの展望は良く、この日は富士山も見ることができた。
柔らかな秋の陽射しと涼やかな風があまりにも気持ちが良いので、混んだ山頂でやっと場所を見つけて腰を下ろし、コーヒーを淹れて昼食にする。山頂ではいつもそうだが、いつまでもこうしていたい気分だ。
しかし、そうもしていられない。下山は今登ってきた難所に次ぐ難所をまた引き返さなければならないのだ。
コーヒーを飲み終え、荷物をしまい、気を引き締めて下山にかかる。
山頂より八丁尾根を望む。またこの尾根を戻るのだ。
登りにも通った道だが、下山で歩くとまた雰囲気が変わる。
登下降を繰り返すルートのため、下山とはいえ登りも多く、なかなか楽ではない。
息を切らしながら這うように進み、どうやら八丁峠へ。ここからはほぼ登りはないが、落ち葉で滑りやすい急斜面で、かなり足に負担のかかる下りだ。
最後に100mほど下に駐車場が見下ろせる場所から崖を下れば終了である。
とにかく次から次へと現れる岩場、鎖場。スケールは小さいがミニ穂高といっても過言ではない面白いルートで、なかなか楽しめた山行となった。