歴史とアドベンチャーの山
2019年6月21日

「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(霊山)」
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ルートタイム
霊山の歴史は古い。
そもそもは貞観元(859)年に天台宗の霊山寺として開山され、東北における修験道の拠点として栄えたのがはじまり。その後、南北朝時代には北畠顕家がこの山に霊山城を築き、戦乱の舞台ともなった。地形からしても理想的な山城であったろうことが窺われる。
登山口の駐車場から見上げると恐ろしいほどの断崖絶壁の山だが、登山道はよく整備されており、危険はない。ルートはのんびり歩いても3〜4時間程度。今回は妻と温泉旅行のついでに軽いハイキングとして訪れた。
駐車場から見上げる霊山は断崖絶壁の山。高所恐怖症の気がある妻はこれをみて一言「騙したな!」。
登山口にあった霊山城の想像図。現在は建物などはまったく残ってはいないが、歴史のロマンが忍ばれる絵だ。
径はとても歩きやすい。天気はあまり良くはないが、まだ新緑の残る山を楽しみながらのんびりと登る。
道端にあった岩。登ったら景色が見えるかと思い、登ってみた。一番上まで登れそうだったが、降りる自信がなく、途中敗退。
40分ほどで「見下し岩」に到着。その名の通り、突き出した岩の上から下界を見下ろせる場所だ。先端まで行くのはなかなか勇気が必要である。そのためかどうか、ロープが設置されていたが、見るからに古そうでちょっと命をあずける気にはならない。
見下し岩から少し行くと、日暮岩分岐がある。帰りはこちらから戻ってくる予定だ。
見下し岩から20分ほど。少し径を外れてかぶと岩に登る。かぶと岩は見晴らしがよく、腰を下ろせる岩もあるのでここで休憩にし、軽く昼食を取る。
こうしてみると、歩きやすい径だが、断崖絶壁の場所を歩いているということがわかる。
そろそろ護摩壇にさしかかる。ここはこのルートのハイライトといってもいいだろう。奇岩を眺めながら断崖絶壁の縁を歩くが、転落防止の柵はしっかりとあるので安心して歩ける。
スリルと展望を楽しみ、最後に岩のトンネルをくぐると護摩壇のゴールだ。ここからもう少し登ると霊山城跡である。
護摩団を抜けてから5分ほどで霊山城跡に到着。昔はいくつも建物があったそうだが、現在は何もなく、広い公園のような広場になっている。
霊山城跡の説明板。
さて、霊山城跡を通り過ぎてまた5分ほど歩き、ちょっとした鎖場を登ると、霊山最高峰の東物見岩だ。
天気が良ければ海まで見えるそうだが、あいにくの天気でそこまでの展望はなかった。
お次のステージは蟻の戸渡だ。蟻の戸渡というと戸隠山を思い出すが、確かにあれに似て、細い岩の上を渡っていくのだが、幅は全然広いし両側には樹木があるのであまり高度感は感じない。
高所恐怖症の妻も平気で歩いていたぐらいだからほとんどの人は問題なく歩けると思う。
それでも一応迂回路もあり、ここを通らなくても進むことができる。
蟻の戸渡までは稜線を歩いてきたが、この辺りから稜線を外れ、下降に入る。
そこかしこに現れる奇岩を楽しみながらのんびりの下山だ。
霊山は標高も低く、よく整備もされているが、ちょっとしたアドベンチャー・テイストも豊富で、初心者や子供連れでも楽しめる山である。
聞けば紅葉がまた素晴らしいとのことなので、いつかまた秋にでも訪れてみたいものだ。