2014年9月6日
「国土地理院発行の2万5千分の1地形図
(日光南部・足尾・古峰原)」
3D MAP
ルートタイム
前回の尾瀬行きから4ケ月、山に行くことができず、だいぶストレスが溜まっていたわけだが、実は6月の末頃に肺に穴があき、急遽入院・手術ということになっていた。所謂自然気胸というやつである。
当然ながら退院しても肺機能はガタ落ちで、駅の階段を登っただけでヒーヒーいう始末。梅雨明けに予定していた北アルプス行きも諦めざるを得ず、山行を再会する日を夢みてリハビリに励んでいた。
9月に入り、だいぶ調子が戻ったが、さすがにいきなり北アルプスは自信がなく、手軽な山で様子を見ようと選んだのがこの縦走ルートだ。
しかし結論から言うと、病み上がりの体には少々厳しい山行となってしまった。
まず、20kmという長丁場にひたすら景色の変わらない樹林帯歩き。5月頃ならアカヤシオが見事らしいが、この時期はそれもなく、加えてガスに巻かれ、高温高湿で軽く熱中症になり、久々につらい山歩きを味わった。
朝6時前に古峯神社に到着。神社の駐車場に車を駐め、準備を整えて駐車場裏のトイレを借りて、歩き始めたのは6時20分頃。
車道を45分ほど歩いてやっと登山口へ。
車道からはずれ、遊歩道のような登山道へ足を踏み入れる。
しばらく歩くとだんだん登山道らしくなってくる。
小一時間ほど登ると、再び目の前に車道が現れる。古峰原峠に出たようだ。峠には四阿があり、休憩にもってこいだ。目の前に広がる古峰ヶ原高原を眺めながら一服。
少しの間、再び車道を歩き、ここから稜線に上がる道に分岐する。
この車道は新しいようで、私の地図には載っておらず、この分岐も一度見落としかけた。
ほどなく稜線に上がる地点に到着。
ここには鳥居と祠があるのだが、祠が見事に潰れてしまっている。あまにも忍びないので、下山後、古峯神社に報告しておいた。
一息入れた後、稜線の道を歩き始める。
木立の隙間を縫うような尾根道を歩いて行くと明るく開けた広場が現れる。行者平という名前がついているらしい。
景色が変わらないのでずいぶん長く感じたが、行者岳山頂に到着。
それなりに上り下りもあるのだが、このような穏やかな尾根歩きも楽しめる。
二つ目の山頂、大岩山に到着。
三つ目の山頂、唐梨子山。読みを調べると、「からりこやま」「からなしやま」「けなしやま」等いろいろ出てくる。どれが正しいのだろう。
ハガタテ平に到着。帰りはここから下ると古峯神社に戻ることができる。
さっきまで良く晴れていたのが、だんだんガスが出てきて暗くなってきた。また意外に長い行程で、病み上がりの体が少々悲鳴を上げ始め、ここから降りてしまおうかとも思ったが、行けるところまで行こうと歩を進める。
これまでとは打って変わっての急登の連続で、ヒーヒー言いながら地蔵岳に到着。ちょうど昼時でもあり、少し長めの休憩を取ることにする。
湿気のせいか汗がひどく、なにか塩分を摂らなければと思い、インスタントのみそ汁を作って飲む。コーヒーも飲みたかったが、水が心細いので我慢した。
10分ほどで三つ目に到着。夕日岳への分岐点だ。
夕日岳へはここから一旦急降下して登り返す。
今回の最終目的地、夕日岳に到着。
正直だいぶグロッキーで、山頂の標石に腰掛けて15分ほど休憩。病み上がりのためもあるが、暑さと湿度のために少々熱中症になったようだ。
グローブを外し、シャツの袖を捲って休んでいるといくらか元気が出た。
下山にかかろうと腰を上げると、あたりは濃いガスに包まれ、夕方のように暗くなっている。
降るかなあと案じ、気持ち急ぎ足になる。しかし、さきほど下ってきた三つ目への急な登り返しに荒い息をつき、また地蔵岳からの急な下りに膝が笑う。
やっとの思いでハガタテ平へ。またもやグロッキー。その上異様に眠い。地面に座り込んで少しウトウトしながら夢を見たようだ。ハッと気がつくと15分ほど経っている。
少し眠ったせいが多少元気が戻り、気を取り直して下山にかかる。
谷筋の下山道を下って行くと、いつしか沢伝いの道になる。冷たいきれいな水で一気のみしたい欲求にかられたが、飲める水か分からなかったし、手持ちの水もまだ残っていたので我慢する。だがもし水が残っていなかったら構わず飲んでいただろう。
ほとんど沢と道が一体化している道で、石が濡れており、疲れもあってか一度大コケして肘を怪我してしまった。
よほどのことがない限りいつもは袖を捲らないのだが、今回は熱中症のため袖を捲っていたため、やすりのような岩肌で思い切り肘を削られてしまった。幸い出血はそれほどでもなく、傷をきれいに洗ってやりすごす。
さらに下って行くと、森林作業用の車道に出て、格段に歩きやすくなる。スピードも上がり、朝に歩いた舗装の車道に合流すると古峯神社までは10分ほどだ。
今回は、病み上がりのため、あまり険しくない山を選んだつもりだったが、思いのほか距離が長く、リハビリには少々きつい行程となった。
しかし、天気が良く、花の時期(5月頃)ならなかなか楽しい山行になるだろう。機会があったらまた来たいものだ。